無為而治
読み方
むい じち意味
為政者が余計な作為や干渉をせず、徳や人格によって民を導くことで、世の中が自然によく治まること。単なる放任ではなく、指導者が自らを修め、民が自発的に秩序を保つ理想の政治をいう。由来
中国の儒教経典『論語』衛霊公篇にある「無為而治者、其舜也与(無為にして治むる者は、それ舜か)」に由来する。古代中国の伝説上の聖王・舜が、細かな命令や介入をせずとも天下を治めたことを称賛した語である。『論語』は孔子(前551~前479年)の言行を弟子らがまとめた書で、成立はおおむね戦国時代(前5~前3世紀頃)とされる。備考
主に儒教思想・政治思想の文脈で用いる硬い語。「無為」は怠惰や無策ではなく、不必要な作為を控えることを指す。道家思想の「無為自然」とも近いが、出典は『論語』である。例文
- 理想のリーダーは、細部まで命令するのではなく、無為而治の姿勢で組織が自律的に動く環境を整える。
- 古代の王を無為而治の象徴として描くこの文章は、徳による政治の重要性を説いている。
- 無為而治は何もしない放任とは異なり、指導者自身の徳と適切な人材登用を前提としている。
類義語
対義語
- 有為政治
- 人為統制
- 強権政治